債務整理(過払金請求・自己破産・民事再生)について
借金の取立てなどで困っている方にとって弁護士に相談、依頼することで取立てなどの悩みから解放されます。
ご存知でしょうか?
弁護士から貸金業者への弁護士が債務整理を受任しましたという受任通知により、貸金業者からの取立てが止まります。
貸金業者とのやり取りはすべて弁護士が行うことになります。
そして、貸金業者への取引履歴の開示を請求し、開示された取引履歴により、利息制限法に基づく計算をおこない債務額を確定して、借金の整理の方針を定めます。
弁護士による借金の整理の方針としては、任意整理、過払金請求、自己破産、民事再生があり、債務額、収入の見込みなどからどの手続きを取るか決めることになります。
1. 任意整理
裁判所を通さずに、当事者同士の話し合いにより和解合意し、債務整理、過払請求を行う手続きです。
債権者との合意が得られない場合は裁判に移行することもあります。
破産や民事再生手続きに移行した場合と比べて債権者にとって有利な結論が得られる場合などに活用することができます。
例えば、破産した場合は、債権者に配当される金額が50万円なのに、話し合いで解決すれば60万円を支払うというように、話し合いのほうが債権者にとって有利であれば、破産をせずに、債権者と合意にいたる可能性が出てきます。
債権者数が多いときは、任意整理には向かないことが多いかと思われます。
2. 過払金請求
借主が、長年、利息制限法に違反する利息・損害金を、貸金業者、あるいは信販会社に対し払い続けている場合があります。
そのような場合、当初からの借入と返済の取引履歴を利息制限法に基づき再計算を行うと、債権者が請求していた債権債務が存在せず、逆に過払金が発生している場合があります。
その過払金を請求して取り戻すことができます。
3. 自己破産
破産手続き概要
借金をしている人(債務者)が、支払不能に陥った場合に、債務者の財産を債権者に対して適正・公平に清算するとともに、債務者について経済生活の再生の機会を確保する制度です。
一定の生活再建用の財産のみを保持して、それ以上の資産については、換価処分を行い債権者に配当することになります。不動産などの資産についても処分をする必要があります。
破産手続きにおいては、大まかに分けると同時廃止と言われる破産管財人が付かない事件と、管財事件と言われる破産管財人が付けられる事件があります。
簡単にいうと、破算により分配される財産(破産財団)が破産手続費用も捻出できないと裁判所が認めたときは、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定がなされます。
そうでない場合は管財人が付され破産手続きを進めていくことになります。
管財人が付される事件は予納金(管財人の手数料など)が高額になり、最低でも20万程度以上の予納金が必要となります。
同時廃止は、破産手続きは開始されないものの破産手続き開始の効力が一旦発生することには変わりありません。資格制限も発生するし、免責申立ての資格も認められます。
破産のメリットとデメリット
破産のメリット
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破産のデメリット
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破産手続きの最大のメリットとして免責許可があります。 破産手続き開始の申し立てをした場合、原則として同時に免責許可の申し立があったものとされ、裁判所により免責の許可が確定すると債務の支払義務から免れることになります。 (一定の要件があり、誰でもがすべての債務について免責される訳ではありません。例えば、故意にけがをさせてしまってその損害賠償債務を負っている場合など、その債務は、免責許可されても、免責対象外です。したがって、破産しても債務を払い続けなければなりません。) |
破産すると戸籍に記載される、選挙権などの公民権が剥奪されるということはありません。 しかし、破産者には特定の職業につくことができないという資格制限があり、これによっていったん職を失う場合があります。 (たとえば警備員、保険募集人など)また信用情報機関に登録され、クレジットカードの発行や新たな借り入れの審査が通らないということがあります。 |
4. 民事再生
民事再生の超概要
簡単に言うと、安定した収入の見込みがある人は破産せずに、一部債務を免除してもらい、残りを3年(最長5年)で分割して支払うというものです。
債権者からすると、破産して資産から配当を受領するよりも多くの回収が見込める場合に認められます。
もちろん、今後の安定した収入が見込めないと民事再生は認められません。
個人向けの民事再生手続きは、継続的または反復して収入を得る見込みがあり、債務総額が5000万円以下の者が利用できます(住宅ローンがある場合はご相談ください。取扱が異なります)。
個人民事再生は、債務者本人が、負債のうち一定額について原則3年(特別な事情があれば5年まで延長可)で支払う再生計画案を作成し、裁判所に対し認可を求めるということになります。
小規模個人再生か、給与所得者等再生かの二つの方法があります。
破産手続きと異なり、資格制限はありません。
(再生計画案が認可されるための最低弁済額)
再生計画が認可されるための最低弁済額は、次の様に定められています。
基準債権の額(負債総額)
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最低弁済基準額
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100万円未満 | その金額 |
100万円以上500万円未満 | 100万円 |
500万円以上1500万円未満 | その金額の5分の1 |
1500万円以上3000万円以下 | 300万円 |
3000万円超5000万円以下 | その金額の10分の1 |
個人民事再生のメリットとデメリット
個人民事再生のメリット
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個人民事再生のデメリット
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破産手続きと異なり、職業の資格制限などがありませんので、現在の仕事が、資格制限職種であっても、仕事を継続していくことができます。住宅ローンで購入したマイホーム、マンションを売却せずに手続きを進めることができる場合があります。 | 民事再生計画が認めらない、返済ができない場合は破産に移行することがあります。 安定した収入があることを説明して認めてもらう必要があります。 |
弁護士と司法書士の違い
司法書士には、簡易裁判所での訴訟代理や民事の紛争に関する相談は、訴訟の目的や紛争の目的の価額が140万円を超えないものしかできないという制約があります。
訴訟の目的や民事の紛争の目的の価額が140万円を超える場合は、弁護士しか取り扱うことができません。
相談内容が140万円を超える場合は初めから弁護士に相談することをお勧めします。