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【レナウンが民事再生を子会社から申し立てられた】
【レナウンが民事再生を子会社から申し立てられた】
新聞報道によりますとレナウンは、5月15日に東京地裁へ民事再生法を申し立てられ、同日、再生手続き開始決定を受けたとのことです。
興味深いのはレナウン自身が申し立てた、のではなく子会社レナウンエージェンシーから民事再生を申し立てられた、ということです。
通常は対当事者会社自身が破産や民事再生の申し立てをします。それが普通です。ただ今回はレナウンエージェンシーという子会社が申し立てています。
破産や民事再生などの法的整理手続きは、異例ではありますが当事者会社ではなく債権者などの関係者が申し立てをすることができます。
今回はその異例にあたる場合で、会社の経営が混乱していて自ら申し立てができない場合ではないかと思われます。
なお当事者会社が申し立てをしたのでない場合は当事者会社の協力を得にくく法的手続きも難航することが多いです。
会社の経営は迷走していた。そんななかでのコロナウイルスの影響で法的整理をせざるを得なくなってしまった。さらに経営が混乱していて自らが申し立てを出来ず子会社が申し立てをした、そういうことだと思います。
コロナウイルスが引き金にはなっていますが、真の原因は経営不在、真の経営者不在だったということかもしれません。
緊急時を乗り切るには責任を取る覚悟のある真の経営者が必要ということを改めて思います。
【あのレナウンが民事再生に】
【あのレナウンが民事再生に】
レナウン娘。80年代最高のテレビコマーシャル。この歌を知らないひとはいなかったでしょう。
そのレナウン、民事再生に。再建のためのスポンサー探しでしょう。何が今回の原因だったのでしょうか。中国資本(山東如意)に身売りしたことは良かったのでしょうか。残念ながら中国でのマーケット展開はうまくいきませんでした。
それぞれの事業の強み、機会を生かすことのできる経営のかじ取りだったのでしょうか。
はたまた大企業にありがちなサラリーマン経営者のなんとなく経営が原因だったのでしょうか。仲良し幹部の会社であったのか。
ちなみに今回の民事再生法の申し立てはレナウン子会社が申し立てをしたようです。レナウン本体は、おそらく経営に混乱があり自ら申し立てることができなかった、身動きできなかったのでしょう。
破産、民事再生等の法的整理手続きの申し立ては会社自らではなく関係者、債権者などができる場合がありますがあまりみたことはありません。おそらく例は少ないと思います。
それほどに経営が混乱していたのかもしれません。
【事業経営者の皆さまへ、コロナ対策について】
【事業経営者の皆さまへ、コロナ対策について】
コロナウイルスの関連で事業経営者の皆様へ私が気になることを投稿させていただきます。一部は再掲内容ですが重要ですので改めて投稿させて頂きます
(弁護士が語るような話ではないかと思う人もおられるとは思いますが金融機関で24年勤務し企業金融を見てきた経験から少しはお役に立てるのではないかと思い投稿させて頂きました。)
コロナウイルスは日本、イタリアなどまだまだ拡大の状況で収束するには今しばらく時間を要するように思います。2~3年程度断続的に続くというような意見もあるようです。
ちなみにスペイン風邪が流行した1918年(大正7年)から1920年(大正9年)は3回に渡り感染拡大がありました。収束するまでに3年間を要したということでしょう。もちろん当時と今では医療水準が大きくことなりますので同じようにはならないとは思いますがスペイン風邪がそれほどに長期間にわたり猛威をふるったことは知っておいて良いと思います。
「当時の内務省の記録によると全流行期間の総感染者数は2380万人、死者数38万9000人、死亡率1.63%とされている」(4月16日日経新聞、忘れられたパンデミック、より引用)
(なお当時の日本内地の総人口約5600万人程度を考えるとすごい感染者数です)
長期戦を覚悟しておいたほうが良いように思います。
夏になって気温があがると改善されるとかいう意見を言っている人がおられましたが根拠は無いように思います。
そして今後もまだまだ経済への影響が拡大かしていくことが懸念されます。事業経営に目に見えて影響があるものはすでに取り組んでおられるかもしれませんが、これから影響が出てくるものもあります。さらに全く予期しないところで甚大な影響をうけることもあり得ると思います。
そこで対応として2つ挙げさせていただきます。
①支払資金の確保
事業が立ち行かなくなるのは、行き着くところキャッシュ不足です。キャッシュがなくなったときに事業の継続はできなくなります。
それに備えて、預金など手元流動性を手厚くしておくことが重要です。今なら金融機関から極めて低利で借入がしやすい状況にあります。金利負担は小さいあるいは実質ゼロ(利子補給がある)です。
ただ返済しなくてはなりませんので、資金の使い道がなければあくまでなにかあった時のための資金として留保しておいたほうが良いでしょう。
借入に抵抗がある方もおられると思いますが金利負担が小さいので保険だと思って思い切って長期間で借入をすることを強くお薦めします。長期間借入にすれば返済負担も軽いです。
②そして
予めできる限りのリスクを棚卸することが重要だと思います。
売上、利益の大幅減少、回復の見込み、従業員の感染、人手の確保の困難、従業員の自宅待機の給料問題、従業員の生活の不安定、商品、サービスの供給遅延、供給困難などによる契約不履行、損害賠償問題、株主総会の開催におけるウイルス感染対策、株主総会運営、などなど思いつくだけでもかなりのことがあります。
事前にしっかりと棚卸整理をして対応についてもシミュレーションしておくことで混乱を回避することができます。
いわゆるBCP(重大な問題が発生したときに事業継続するための計画)も簡単なものでも良いので作成してみる、あるいは見直ししてみることも重要に思います。
是非会社幹部の皆様とのリスク共有を強くおすすめします。
弁護士、税理士、コンサルタントとして気になることを投稿させて頂きました。ご参考になれば幸いです。
【坂口俊幸法律事務所の理念】弁護士としての基本的な考え方
弁護士としての基本的な考え方
争いや裁判にあなたの大切な時間やエネルギーを使うのではなく、新しい次の一歩のために力を使っていただきたいと考えています。
そんな考え方の法律事務所です。
もちろん裁判が最適の選択のときは裁判にベストを尽くします。ただ裁判に勝つことを目的とせず新しい一歩を踏み出すためにエネルギーを使ってもらいたいと考えます。
特に大切にしている考え方は
「病気をみずして病人をみよ、事件をみるのではなく人をみよ」
です。
単に法律に関する問題だけを取り組むのではなく、会社経営、事業に関することを幅広く対応したいと思っております。
税理士業も行っており、銀行での経験も踏まえ経営計画策定支援など事業コンサルティングも行っています。
最近では中小企業の海外進出、販路拡大、外国人の雇用、等国際的な案件、渉外案件もご相談させて頂いております。必要に応じ専門家と連携しながら課題解決に向けて取り組ませて頂きます。
【坂口俊幸法律事務所の理念】
世界の平和
すべての人の幸福
ひとりひとりを大切にし個人を尊重する
そのために黙することなく発信し行動する
です。
【違法でなければなにをしてもよいのか】
【違法でなければなにをしてもよいのか】
最近様々な問題が起こり、テレビなどで、問題ではあるが「違法ではない」という弁明を聞きます。
企業は事業をする上で、「違法でなければなにをやってもいい」そんな風に聞こえてしまいます。
事実、違法でなければいいんじゃないのという発言もしばしば聞くところでもあります。
本当にそうでしょうか。企業は社会的存在であるということを忘れているのではないでしょうか。
私たち一人一人は違法でなければなにをしてもいいということにはなりません。違法でないだけではなく、地域、社会の要請に沿った行動をしなくてはなりませんし倫理的な規範に沿った行動をしなくてはならないと考えます。企業も同じ様に社会的存在です。一人一人の人間と同じ様に社会的要請、倫理的規範に沿ったものであることが求められます。
政治家も同じですね。
私がファシリテーターを務めた先日のハラスメント研修、SDGs研修を通して私自身も深めることが出来ました。
弁護士としての基本的考え方
弁護士としての基本的な考え方
争いや裁判にあなたの大切な時間やエネルギーを使うのではなく、新しい次の一歩のために力を使っていただきたいと考えています。
そんな考え方の法律事務所です。
もちろん裁判が最適の選択のときは裁判にベストを尽くします。ただ裁判に勝つことを目的とせず新しい一歩を踏み出すためにエネルギーを使ってもらいたいと考えます。
特に大切にしている考え方は
「病気をみずして病人をみよ、事件をみるのではなくその人をみる」
です。
単に法律に関する問題だけを取り組むのではなく、会社経営、事業に関することを幅広く対応したいと思っております。
もちろん個人のご相談も受けたまっております。個人のお悩み、交通事故などの事故被害、離婚、DV、子供の親権、面会交流、相続、遺言、民事信託、高齢者の認知症対応、後見人などもれなくご相談しております。
ご相談内容に応じて専門家をご紹介することもしております。ただ単に紹介するのではなく連携して問題解決、課題達成をする、そういう姿勢です。
税理士業も行っており、銀行での経験も踏まえ経営計画策定支援など事業コンサルティングも行っています。
最近では中小企業の海外進出、販路拡大、外国人の雇用、等国際的な案件、渉外案件もご相談させて頂いております。必要に応じ専門家と連携しながら課題解決に向けて取り組ませて頂きます。
海外販路拡大の為の代理店契約書、国際売買契約書、海外合弁企業との提携契約書などの契約書作成、チェックも対応させて頂いております。
国際的な相続(資産が海外にある、相続人が外国人である等)、離婚、家族問題も対応させて頂いております。
【坂口俊幸法律事務所の理念】
世界の平和
すべての人の幸福
ひとりひとりを大切にし個人を尊重する
そのために黙することなく発信し行動する
です。
次にブロフィール等
松原市立松原中学校卒業、
大阪府立生野高等学校卒業、
京都大学法学部を卒業後、
みずほ銀行など24年間金融機関に勤務。退職し、龍谷大学法科大学院を経て
2009年司法試験に合格、京都弁護士会にて弁護士登録。
2017年近畿税理士会税理士登録
同年 近畿財務局、経済産業局認定
経営革新等支援機関
金融機関での社会人経験を活かし経営者や相談者の悩みを受け止め相談者とともに解決に取り組む弁護士として坂口俊幸法律事務所を立ち上げました。現在弁護士4名体制。
単に相談事項や困りごとだけを見るのではなく相談者その人、その会社、事業をよく見て広い視点から悩みごとに取り組み、助言、相談者の目線を大切にしています。相談の範囲は法律にとどまらない広い視点を特に大事にしています。
法律による解決も模索しながら、同時に法律の限界も常に意識し、様々な解決方法を検討し問題、悩みの解決、軽減に取り組んでおります。
必ずしも法律での解決にこだわらず、メンタル面での安心、満足も大切にしています。
銀行では主に、IT関連業務、融資業務に従事しコンビューター、企業会計、事業経営などにも明るいです。
第1種情報処理技術者試験合格。
公認会計士、税理士、司法書士、離婚カウンセラー等とも連携して多面的な取り組みもしています。。
48歳で会社を退職し弁護士に転身した経験は多くの方の人生の生き方にも参考になるのではと思っております。
京都弁護士会所属弁護士
京都弁護士会業務推進委員会
日本CSR普及協会会員
近畿財務局長、近畿経済産業局長認定経営革新等支援機関
龍谷大学法科大学院にて司法試験受験生を指導。
龍谷大学理事会評議会監事
龍谷大学校友会理事
龍谷大学校友会法曹支部事務局長
龍谷大学校友会阪神支部監査担当
京都中小企業同友会会員(下京支部)
京都錦ライオンズクラブ会員
京都商工会議所会員
亀岡商工会議所特別会員
盛和塾南京都塾生
小宮コンサルタンツ会員
京都市立病院倫理寄稿委員会外部委員
京都市立病院臨床研究倫理審査委員会外部委員
京都、神戸、大阪などの税理士、司法書士、行政書士を中心に民事信託研究会主催
ソニー生命様、かんぽ生命様等生命保険フィナンシャルプランナー連携勉強会
社会保険労務士と従業員関係についての研究会主催
船井総合研究所企業法務研究会会員
船井総合研究所企業法務アジア渉外業務研究会会員
近畿広島県人会相談役
京都広島県人会理事
税理士登録135404
LawAisiaメンバー登録(2018)
中国、アジアなと海外の弁護士とのネットワークも多数
個人的には
剣道二段、空手入門中。
中学時代には生徒会会長。
高校時代には剣道部部長にも。
いろいろやりましたがどれも力不足で悩む日々でした。
語学の勉強は大好きで英語、仏語を日々ブラッシュアップ中。イメージ力と瞬発力を強化中。毎日少しずつですが。アジアの言語にも取り組んでみたいと思っています。
尊敬する人、たくさんいますが、一人と言われれば
松下幸之助さんです。松下幸之助さんの本は何度も繰り返して読んでいます。何度読んでも勉強になります。そして学んだことを実践し試行錯誤しています。
本はたくさん読みます。年間少なくとも100冊。好きな作家、三島由紀夫、中島敦、高橋和巳、司馬遼太郎、モンゴメリーなどなど。
愛読書一冊を敢えて挙げるのでしたら先程尊敬する人に挙げました松下幸之助さんの「道をひらく」です。なんども繰り返し読んでいます。生きる勇気と知恵をくれます。
経営の本ではピータードラッカーの「マネージメント」を繰り返し読んでいます。
相談者、経営者とともに悩みの解決を通して 成長したいと強く思っております。
もし一人だけ弁護士を選ぶとするならば坂口さんを、と言ってもらえるような弁護士でありたいと思います。
【目の前の現象にとらわれていては問題は解決できません】
【目の前の現象にとらわれていては問題は解決できません】
長い連休にはたくさん本を読みたいですね。
さて、
燃え盛る火災現場で、消防士が、まず水をかけるのは、火の元です。
舞い上がる火の粉に向かって、どんなに水をかけても火は消えません。
私たちはともすると目の前の現象にとらわれがちです。
ことの本質に迫る必要があります。しかしことの本質はなかなか見えて来ません。舞い上がる炎に目がいってしまいます。
火の元に気がつくためにはどうしたら良いのでしょうか。
視点を変えるために異なる視点を持つ人の意見を聞いたり、異なる視点を持つ人と議論をすると思わぬ気付きがあるかもしれません。
ただそのようなときにでも絶対に必要なことは
「素直な心」
だと思います。
素直な心がなければ視点を変えることもできません。
まずは「素直な心」だと思います。
【事業承継はあまり先延ばしせずに専門家に相談しながら少しずつでも進めてはいかがでしょうか】
【事業承継はあまり先延ばしせずに専門家に相談しながら少しずつでも進めてはいかがでしょうか】
事業承継は経営者自身の未来を見通した判断が必要です。ただ大切なことにも関わらず日常業務に追われ後回しにしがち。しかし先延ばしにして選択肢が狭くなるのは良くありません。
デリケートなこともたくさんあると思います。メンタルなことも含め複雑な事情を理解してもらえ、かつM&A、税制、法律等に明るい専門家に相談するのが良いと思います。信頼できる人であることが大事です。相性もあります。
以下中小企業白書より引用
「経営者の半数以上が親族内で事業を引き継いでいる。M&A(合併・買収)などで親族以外が事業を継ぐことも推奨した。社内や親族に適任者がいなくても、外部で候補者を探せることがM&Aの利点」ですね。
追伸
M&Aは大きな事業者を考えがちですが小規模企業でも事業承継の選択肢になり得ます。
【中小企業のためのCSR(企業の社会的責任)】
【中小企業のためのCSR(企業の社会的責任)】
先日、京都の私学会館で「小さな事業主でも実践できる中小企業のためのCSR」セミナーに参加しました。
CSRは企業の社会的責任と訳されています(corporate social responsibility)。
世界銀行のシニアアドバイザーを経てCSR論を研究されている島本晴一郎教授、楽天市場CSR賞を受賞、食品ロス削減事業に取り組む経営者の文美月さんのご講演。
これからの企業のあり方を考える材料、ヒントをたくさん頂きました。
講演者とのディスカッション、懇親会での交流で更に深めることができとても有意義でした。
企業のCSRご担当の方も参加されており、企業の取組状況もわかり良かったです。
これからの企業はCSR、そしてSDGs(持続可能な開発目的)に取り組むことは必須だと改めて思います。
事業計画に取り込んで頂き企業の成長だけではなく、従業員、お客様や様々なステークホルダーとの円滑な関係構築に役立つと良いですね。
弁護士である私がCSR、SDGsに関心を持つのは、これらのことを企業の理念、事業計画に反映させていけば、企業の発展だけではなく従業員との関係、お客様や仕入れ先など取引先との関係、地域社会との関係、株主との関係、銀行との関係など利害関係者との関係を円滑、さらには発展的な協力関係を構築することができ、その結果、争い、トラブルが解消するのではないかと考えているからです。
従来の予防法務というものとは全く違うアプローチで別物だと思いますが紛争を回避しそして企業の永続的発展を支えるものになると考えています。
【SDGとは。「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」】
【SDGとは。「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」】
「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」について最近新聞、雑誌などでよく目にします。
グローバル企業だけではなく中堅中小企業もこの事をしっかりと理解しておくことが重要だと思います。
ビジネスと人権、環境問題は一緒に考えていくことがこれからの社会においては不可欠だと思います。
我々の世界を変革する:
持続可能な開発のための 2030 アジェンダ
前文
このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画である。これはまた、より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求ものでもある。我々は、極端な貧困を含む、
あらゆる形態と側面の貧困を撲滅することが最大の地球規模の課題であり、持続可能な開発のための不可欠な必要条件であると認識する。
すべての国及びすべてのステークホルダーは、協同的なパートナーシップの下、この計画を実行する。我々は、人類を貧困の恐怖及び欠乏の専制から解き放ち、地球を癒やし安
全にすることを決意している。我々は、世界を持続的かつ強靱(レジリエント)な道筋に移行させるために緊急に必要な、大胆かつ変革的な手段をとることに決意している。我々
はこの共同の旅路に乗り出すにあたり、誰一人取り残さないことを誓う。
今日我々が発表する 17 の持続可能な開発のための目標(SDGs)と、169 のターゲットは、この新しく普遍的なアジェンダの規模と野心を示している。これらの目標とターゲットは、ミレニアム開発目標(MDGs)を基にして、ミレニアム開発目標が達成できなかったものを全うすることを目指すものである。これらは、すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化を達成することを目指す。これらの目標及びターゲットは、統合され不可分のものであり、持続可能な開発の三側面、すなわち経済、社会及び環境の三側面を調和させるものである。
これらの目標及びターゲットは、人類及び地球にとり極めて重要な分野で、向こう 15 年間にわたり、行動を促進するものになろう。
人間
我々は、あらゆる形態及び側面において貧困と飢餓に終止符を打ち、すべての人間が尊
厳と平等の下に、そして健康な環境の下に、その持てる潜在能力を発揮することができる
ことを確保することを決意する。
1
地球
我々は、地球が現在及び将来の世代の需要を支えることができるように、持続可能な消費及び生産、天然資源の持続可能な管理並びに気候変動に関する緊急の行動をとることを
含めて、地球を破壊から守ることを決意する。
繁栄
我々は、すべての人間が豊かで満たされた生活を享受することができること、また、経済的、社会的及び技術的な進歩が自然との調和のうちに生じることを確保することを決意
する。
平和
我々は、恐怖及び暴力から自由であり、平和的、公正かつ包摂的な社会を育んでいくことを決意する。平和なくしては持続可能な開発はあり得ず、持続可能な開発なくして平和もあり得ない。
パートナーシップ
我々は、強化された地球規模の連帯の精神に基づき、最も貧しく最も脆弱な人々の必要に特別の焦点をあて、全ての国、全てのステークホルダー及び全ての人の参加を得て、再活性化された「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を通じてこのアジェンダを実施するに必要とされる手段を動員することを決意する。
持続可能な開発目標の相互関連性及び統合された性質は、この新たなアジェンダ(以後「新アジェンダ」と呼称)の目的が実現されることを確保する上で極めて重要である。も
し我々がこのアジェンダのすべての範囲にわたり自らの野心を実現することができればすべての人々の生活は大いに改善され、我々の世界はより良いものへと変革されるであろう。
(目標1~17)
目標1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標6 すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
目標7 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8 すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する
目標9 強靭(レジリエント)なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
目標10 国内および国家間の不平等を是正する
目標11 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭(レジリエント)かつ持続可能にする
目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
目標14 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
目標15 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
目標16 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
目標17 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
67.(民間企業活動)民間企業の活動・投資・イノベーションは、生産性及び包摂的な経済成長と雇用創出を生み出していく上での重要な鍵である。我々は、小企業から共同組合、
多国籍企業までを包含する民間セクターの多様性を認める。我々は、こうした民間セクターに対し、持続可能な開発における課題解決のための創造性とイノベーションを発揮する
ことを求める。「ビジネスと人権に関する指導原則と国際労働機関の労働基準」、「児童の権利条約」及び主要な多国間環境関連協定等の締約国において、これらの取り決めに従い労働者の権利や環境、保健基準を遵守しつつ、ダイナミックかつ十分に機能する民間セクターの活動を促進する。
2015年9月25〜27日、ニューヨークの国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催されました。161の加盟国の首脳の参加のもと、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(英語・日本語(外務省仮訳))が採択されました。
持続可能な開発のための2030アジェンダでは、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」(英語・日本語(国連広報センター仮訳))が掲げられました。これらはミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)を引き継ぎ、貧困や不平等、環境といった諸課題に対処すべく策定された、今後15年間の開発目標です。