交通事故における後遺症の判断

2016-11-03

交通事故の被害者になったら
~後遺症について~

交通事故でケガをされたとき、まずは病院で治療されることと思います。
そのあと、気になることは、自分のケガが後遺症になるのではないかという点です。
ところで、この後遺症というのはどういうことでしょうか。また、だれがどのように判断するのでしょうか。
後遺症について、医師が判断すると思っている人もおられるかもしれませんが医師の役割は、後遺症かどうかを判断するにあたって、患者さんのケガの状況を診断書に記載することであって、医師が後遺症を判断するのではないのです。
すなわち、医師が書いた診断書をもとに、後遺症に該当するかどうかを判断する別の機関があるということです。実際には、自賠責調査事務所の調査結果をもとに自賠責保険会社が判断します。
次に、どういった場合に後遺症と判断されるのでしょうか。
そもそも、後遺症というのは、簡単に言えば、ケガが完治せず、このまま治療を継続しても回復する見込みがない状態のことをいいます。たとえば、関節の一部が動かなくなったりとか、失明したりというようなものです。
この後遺症の判断は、医師が書いた診断書とともに、MRI画像等、客観的な資料を参考にしつつ判断されます。
そして、交通事故のケガでの後遺症で、最も皆さんが直面する可能性が高いのが、首や腰が継続して痛むいわゆるムチウチというものがあります。
このムチウチも、痛みが継続的に残るわけですから後遺症に該当し得ます。具体的な後遺症でいうと「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)というものになります。
ところが、このムチウチ症状が、後遺症の判断にあたって、最も厄介なものだったりします。
先ほども述べたように、後遺症に該当するかどうかは、診断書とともにMRI画像といった客観的な資料を基に判断します。
しかし、ムチウチの場合、首や腰に痛みはあるのに、MRI画像等には、その原因となるものが映らないというのが多々あり、診断書以外の客観的資料がない場合があるのです。
そのため、首や腰の痛みが残っているのに、後遺症と判断してもらえないという人が多数おられます。そして、その結果として、交通事故にともなう損害賠償も、けがに対する十分な補償を受けることができないということがあります(後遺症に該当するかどうかで、損害賠償の金額は大きく変わります)。
交通事故でケガをされた場合、後遺症が残らないことが最も良いことです。
しかし、中には治療を継続しても、痛みがなくならないこともあるでしょう。その場合、後遺症ということになりますが、後遺症の判断には医学的な面と法律的な面と双方に問題となります。後遺症についての適切な補償を受けるためにもお近くの専門家に相談されるのがよいでしょう。
坂口俊幸法律事務所 弁護士 奥田尚彦

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